私が保険診療を捨て、完全自由診療の道を選んだ本当の理由 2026/02/07 歯科医師としての「当たり前」が否定された日 「インプラントをやってほしい」 長年通ってくださる馴染みの患者様からのその一言に応えることは、歯科医師として当然の喜びでした。 1987年当法人開設以来、常に考えていたのは患者さまとの信頼関係でした。 しかし、その「当たり前」が、ルール(保険診療の建付け)の前では、時に「疑い」の対象となってしまいました。 年単位にわたる苦悩 「自費を選ぶような人間に、なぜわざわざ保険で追加の治療を行うのか?」 当局から突きつけられたのは、現場の信頼関係を無視した、あまりに冷酷な言葉でした。 保険診療と自費診療を一人の歯科医師が併用することの法的な難しさ。それに対する指導。 年単位に及ぶやり取りの中で、法人創設者らの精神的コストは限界に達していました。 「患者様のために最善を尽くしたい」という想いが、制度の壁によって「説明不足」や「根拠不明」と切り捨てられる。その不条理に、私たちは絶望しました。 「馴染みの患者様」を失う痛み 保険診療を続けながら自費を扱う経営は、一見安定しているように見えます。しかし現実は違いました。 ルールを守るために、自費を望む患者様に保険での並行治療を断れば、患者様は去っていきます。保険医療機関であっても、一度崩れた信頼を埋めるほどの新規集客は容易ではありません。 「正しくあろうとすればするほど、居場所を奪われていく」 そんな閉塞感の中で、当院は決断しました。 退路を断ち、完全自由診療へ 当法人が選んだのは、保険診療という看板を完全に下ろす道でした。 それは、法解釈の顔色を伺いながら、制限だらけの治療を「これが限界です」と提供する自分から卒業するための、唯一の手段だったのです。 〇 検査から費用をいただく。 〇 保険が効く治療内容も、すべて自費で。 この「高い壁」は、歯科医師にとっても大きな挑戦です。しかし、この壁があるからこそ、私どもは誰に遠慮することなく、目の前の患者様お一人に、持てる技術と時間のすべてを注ぐことができます。 患者様が探している歯科医院へ 「とりあえず安く、そこだけ治ればいい」という方には、当院は不向きかもしれません。 しかし、「なぜ自分の歯はいつも悪くなるのか」「本当の意味で長持ちする治療を受けたい」と切実に願う方にとって、当院は最後の砦でありたいと思っています。 私が保険診療を捨てたのは、あなたの大切な歯を、制度の限界に縛られずに責任をもって守り抜くためです。