生活歯と失活歯の生存率の違い
2023/11/10
根管治療後の歯の寿命はどうなるのか
※1Survival of fixed prosthetic restorations on vital and nonvital teeth: A systematic review :
Mohammed Hawthan 1 2, Christel Larsson 2, Bruno R Chrcanovic 2
むし歯治療を繰り返さないことが大切です
根管治療は、大きなむし歯や歯の痛みに対するごく一般的に行われる治療です。その成功率は78.9~82.8%です※2。治療費や治療期間の負担は比較的少ないため、安易に選択されがちな治療方法でもあります。そのため、小さなむし歯治療を何度も行われて次第に大きくなり、「根管治療しましょう」と突然言われます。歯が痛いときも選ばれがちです。でも、本来は根管治療も「不可逆」的な治療行為なので、治療を受ける前に一度立ち止まって考える時間が大切です。
※2Success rate of endodontic treatment of teeth with vital and nonvital pulps. A meta-analysis:
Koko Kojima 1, Kyoko Inamoto, Kumiko Nagamatsu, Akiko Hara, Kazuhiko Nakata, Ichizo Morita, Haruo Nakagaki, Hiroshi Nakamura
根管治療を受けた歯は失活歯とみなされます。失活歯はむし歯のリスク、破折リスク、細菌感染リスクともに増加し、根管治療後に再度トラブルに見舞われることも少なくありません。その際は、すぐ抜歯とはならないまでも非常に長い経過を辿っていることも多く、抜歯の選択が治療オプションから消えることはありません。ひとたび抜歯となれば、インプラントを含む補綴治療を追加で検討する事態となります。将来、抜歯になる可能性が高いのか低いのか。生活歯と失活歯の大きな違いはそこにあると考えています。